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| 癌のキーワード |
追加情報整理ポスト |
| * がん幹細胞 |
癌細胞で幹細胞の性質を持つものを「がん幹細胞」といいます。この「がん幹細胞」は { 放射線を当てても生き残り、しかも悪性度を増す事もある } という事を米スタンフォード大などのチームが報告しています。
人やマウスの細胞を使った実験により、「がん幹細胞」は正常な細胞や癌細胞よりも活性酸素量が少なく、この事(→細胞内活性酸素量が少ない事)が上記の内容に関係していると報告しています。(放射線照射によるDNA損傷が軽いという結果になる。)さらに、「がん幹細胞」内では活性酸素を除去する酵素を合成する遺伝子が活発に働いているという事も判明したとも報告しています。 |
| * 癌治療の前に@ |
癌治療と心臓病;癌治療に入る前に、体のコンディションを整えておく必要があります。それが整えられていませんと、治療計画に大きな影響を与える可能性があります。そのため治療前には心臓病の検査、治療が行われるのが通常です。
たとえば心臓病の場合、癌の進行や治療のストレスにより心臓病が悪化し、治療の中断や変更を余儀なくされる事があります。心臓病の患者さんは心臓病の他に高血圧や、高脂血症(脂質異常症)などの危険因子を複数持っている事が多く、癌治療中に悪化する事により、癌治療の継続は困難になります。これらの心臓病を持っておられる場合、多くの薬を服用している可能性もあります。たとえば抗血小板剤などは、癌の診断や治療に障害となるものもあります。このような場合では、術中、術後に急激な血圧低下、心拍数の変化、不整脈などの問題の発生する可能性もあります。服用している薬によっては出血が止まらなくなる事さえあり得ます。又、抗癌剤治療の場合では、点滴による心臓への過剰負荷により心臓病が誘発され、化学療法中の心停止、突然死が数%の割合で発生することも確認されております。
実態調査では1000人の心臓病患者さんの内、癌患者さん680名についての結果では、虚血性心疾患65%、不整脈7%、弁膜症2%、心筋症2%、大動脈瘤1.5%と報告されており、癌の種別では多い順に肺癌、胃癌、大腸癌、泌尿器系の癌に心疾患が多く認められたとされております。この様に癌患者さんに特有の心疾患が上げられております。
癌の治療の前にこの様な、リスクを除くための努力がされますが、心臓病の治療を行う事によりまして、2ヶ月程度の治療の遅延が発生する事があり、そのために癌の手術のタイミングを逸してしまうケースは2〜3割あると報告されております。この様な事情をどうぞ知識としてお持ちになっておいて下さい。 |
| * 癌治療の前にA |
癌治療と口腔ケア;癌の治療をする前には、口腔内の衛生健康を保つために歯周病や歯の治療など口腔ケアがとても大切になります。
一般的に癌治療中は体力が極端に落ち、口内の細菌のバランスが崩れ、カビの一種のカンジタやヘルペスウィルスが増殖し、口内炎が発生します。手術前に口腔ケアを確実に施した場合、合併症の発生率は16%ですが、何の手当てもせずに癌の手術に臨んだ場合には64%と大幅なデータ上の有意差が認められているという報告があります。口の中を一度キレイにすると、治療中やその後も細菌感染を起こし難いという研究もされており、結果的に食事の再開も早まり、早期退院にも繋がります。
歯周病は特に肺癌、腎癌、膵癌、血液癌と関係があるという報告があります。これは歯周病が免疫・体の防御システムに影響する、もしくは歯周病に関係する菌が直接癌の発生に影響しているかも知れないという研究報告によるものです。 |
| * 陽子線治療 |
陽子線が人体に及ぼす影響・効果はX線を使った放射線治療とほぼ同等です。しかし、陽子線とX線は物理的に大きく異なります。
X線は照射すると拡散し、体表面近くで最大のエネルギーを発生し、人体を貫通します。
一方、陽子線は直進性があり到達距離の調節が可能であり、狙った場所で最大のエネルギーを発生させる事ができる。この事により、病巣周囲の正常組織、特に病巣から奥にある深い部位の正常組織に悪影響が少ないという、大きなメリットがある。
近傍組織への悪影響をコントロールできれば、腫瘍にこれまでよりも多くの線量を、均一に照射でき、腫瘍組織を効果的に死滅できる事になります。
静岡県立がんセンター陽子線治療科医師村山重行氏は「陽子線治療は完治を目指す治療として、選択が可能で、早期の癌を見つけても、心臓が悪い、腎臓機能が不十分などの合併症で手術が出来ない場合や、少しでも放射線が当たると成長障害を起こす子供に対する治療として効果的である。」としています。
さらに、同医師は「耳鼻科領域でも高い効果が期待できる。頭部では狭いエリアに目、耳、鼻、口が密集し、腫瘍を全部取れば治るとしても、結果的に視聴覚機能を殆どなくすような治療には躊躇せざるを得ないが、
陽子線治療であれば、見る、聞く、話すなどの機能温存を図りながらの選択が可能となります。
また、陽子線治療に適した臓器がある。肺や肝臓という臓器は、機能が並列している臓器であり、一部分を切り取っても残りの部分が機能を補える。この様な臓器は沢山の線量を投与する治療が可能です。
その一方で、食道、大腸、小腸などの管状で連続している臓器は、余り強く照射して万が一、穿孔や閉塞などが起きてしまうと、臓器全体が働かなくなる為に注意が必要になります。
従い、治療の対象となるものは、前立腺癌、肝細胞癌、肺癌、頭頚部癌の中で、リンパ節転移や遠隔転移が無い癌という事になります。肺癌や肝臓癌など呼吸によって体内で動く臓器は、呼吸同期照射による対応で息を吐いた状態の瞬間だけ照射する事も出来、一部の頭頚部癌では、小さなリンパ節転移があっても、
そこを手術で取る、頚部郭清術を陽子線治療を組み合わせたりする術式も可能です。」と述べております。この様に陽子線治療の技術は日本は世界をリードしているとしております。 |
| * 単孔式腹腔鏡下手術 |
近年の技術力の進歩により、腹腔鏡下手術も、主力の3〜4箇所の穴を開けて執刀する方法から、「単孔式」という切開箇所は1箇所で、
臍の中などに孔を開け、カメラと鉗子を挿入して施術する方法への検討がされております。
当然ですが、これにより手術跡が残り難く、この分野の技術が進んでいる米国では、(特に女性の場合、)この手術法施術を希望される人が増加しています。
日本でもこの方式を採用する医療機関が少しずつでは有りますが、導入される傾向にあります。
「この方式はより高度な技術が必要であり、日本はまだ器具も少なく、 条件面で整備される事により、
将来的に普及するのではないか」と紹介されております。この技術は大腸癌などが対象に上げられております。 |
| * 術後突然死 |
術後の入院で早期に亡くなる方を調べますと、脚の静脈に出来た血栓が肺の血管に詰まって起きる肺血栓塞栓症であると判明するケースが多い。
事故は、癌の術後のみならず、股関節、四肢、腹部の術後にも多く、整形外科、消化器外科などは注意が必要です。静脈血栓塞栓症は脚のマッサージ、積極的運動、抗凝固薬投与により予防効果をあげています。
術後に静脈血栓が出来やすい原因は@血の巡りが悪くなる A血管の壁が傷付き、炎症を起こす B血が固まり易いなどが上げられ、高齢、癌、長いベッド生活が血栓の形成を促進します。
塞栓症発生率は従来の間欠的空気圧迫のマッサージだけでは19、4%の発生を確認していますが、 抗凝固薬(2回/日 ×14日間 皮下注射)併用で1、2%と大きく改善されています。(但し、術後は出血も起き易く、抗凝固薬の投与には日本の外科医は慎重で、慣れていません。塞栓症予防ガイドラインでは、脚を圧迫する弾性ストッキングや、
脚に巻いたベルトに空気を送り込む 間欠的空気圧迫のマッサージでの 理学的予防に加え、癌などの術後、危険性の高い40歳以上の患者には抗凝固剤を併用する事になっています。) |
| * 癌検診 |
2009年の内閣府世論調査では、癌検診の重要性は97、4%の人が認めているにも関わらず、過去2年間での検診実績は、肺癌42%、胃癌38、1%、子宮癌37、2%、大腸癌34、6%、乳癌32、3%となっております。
一方で、部位別発見経緯別5年生存率では、検診で発見された場合の上記各癌は高率を示しております。
検診以外で発見された事例では、肺癌16、3%(検診発見45、8%)、胃癌53、3%(同87、8%)、大腸癌62%(同91、5%)、乳癌83、7%(同92、8%)、子宮癌71、3%(同94、1%)と大きな差になっております。
米国の場合、検診実績は、子宮頸癌83、5%(日本24、5%)、乳癌72、5%(日本23、8%)であり、英国、オランダ、オーストラリア、ニュージーランドなどでも高い癌検診率になっております。
検診で発見された人の方が、癌が臓器に浸潤する割合やリンパ節転移の割合が低い(早期に発見されている)傾向にあります。日本では、2008年のデータでは、近年の傾向として、男女共に胃癌は減少傾向であり、大腸癌、肺癌は急激に増加しています。 |
| * 意識調査 |
2009年11〜12月の全国87の患者団体を通じた(約1600人を対象にした)癌患者さんや、ご家族への意識調査では、たばこ対策の強化を望む事を95%が賛成しております。癌治療で悩んだ事を調べた結果では、「落ち込みや不安、恐怖などの精神的な事」が64%と首位を占め、次いで「精神的な悩みを相談できる仕組みや痛みの緩和ケアの充実を求めている事」も60%と多数を占めました。 |
| * NK活性 |
NK活性が低いと発癌リスクを高めるとする研究報告は、今世紀に入ってもなされておりますが、このNK活性は日内変動が大きく、また、個人差も大きい。 NK活性(ナチュラルキラー細胞活性)が高い・中程度・低いの3段階で、 11年間・約3600人の追跡調査結果によりますと、 平均活性の高い人は、適度に身体を動かし、喫煙せず、規則的な食事などの生活習慣を持つ人であり、 NK活性が高いという事は又、 癌のみならず、様々な病気を予防できる可能性があるとしています。(発癌リスクは活性の低い人は、高い人・中程度の人の2倍近くあるとしています。)
報告によりますと、「NK活性を高める生活習慣として@喫煙しないA適度の飲酒B規則的な生活(食事・睡眠)C適度な身体活動D適切な体重の維持E緑色野菜(青物)を毎日食べるF乳・乳製品・大豆製品を食べるGストレスの解消を図る」とされておりました。実際、乳癌手術を受けた患者さんに、主治医と協力の元での、生活指導により、生活習慣の改善した患者さんほどNK活性の上昇が確認されました。 |
| * 癌拠点病院連携治験 |
2010、11月にメディアに発表された(国立癌センター提案の)内容によりますと、「癌治療薬の安全性や有効性を確認する為の、臨床試験(治験)を全国377箇所の癌診療連携拠点病院が協力して実施する仕組みが、近く開始される」とあります。
これは多くの症例を迅速に収集解析し、新薬の早期市販に寄与する事で、従来、問題となっていた、新薬導入の遅れ(ドラッグ・ラグ)を解消しようとする事が狙いです。
それによりますと、全国の拠点病院で組織する連絡協議会は、 治験に関する情報を一元的に把握して調整する「臨床試験部会」を設置し、当初は51の都道府県拠点病院でスタートし、
残る326の地域拠点病院にも順次広げて行くというものです。科学性や倫理性を保つ為に、過去に国内で実施された多施設参加の共同治験で実績のあるグループの手順を参考にするほか、参加施設同士が互いに訪問しあい、治験の進行状況をチェックする方式も取り入れる方向です。医薬産業政策研究所が2009年にまとめた内容によりますと、日本の新薬導入は欧米より約4年遅れているとされ、長年の懸案事項でした。 |
| * 癌対策推進基本法 |
2012年までに5大癌(肺・胃・肝臓・大腸・乳癌)の治療に関して、計画策定病院と地域の診療所が連携し、
共通の処方箋「地域連携クリティカルパス」を作成する仕組みを整備するもの。
クリティカルパスは、癌治療に於いての役割分担と治療の日程が定められた工程表です。なすべき事柄を標準化する事で、誰が担当しても設定した結果を得られる利点が有ります。
工程表は国が指定した癌診療の拠点病院或いは、それに準ずる病院(計画策定病院)が作成します。
「患者さんが その病院から退院して地元に帰っても、地域のどの診療所がどういう治療を担当するという事を決め、
厚生局に届けます。 地元に十分な連携の取れる医療体制が無ければ、戻れる段階まで医療の整った施設で治療計画が進められます。その為、退院後の医療レベルの低下は極力防ぐ事ができます。」 |
| * ある癌センターの実情 |
外来患者1000人/日のうち、初診は60人、癌と診断され外来で抗癌剤治療・ホルモン補充・点滴などの補助治療を受ける人は約100人、癌が骨に転移し、放射線治療を受けたり、癌による痛みを軽減する緩和療法を受ける人は約120人ほど、残りは癌の定期検診やフォローアップを受ける人です。 |
| * 樹状細胞ワクチン療法 |
樹状細胞ワクチン療法は、患者さんの血液中の細胞を培養し、癌に対する免疫力を高め、腫瘍を治療する事を目指した治療法です。
健康保険適用外の治療法ですが、米国では2010年4月に前立腺癌に対する治療法として承認しています。抗癌剤の様な副作用が殆ど無く、入院不要の新治療法として注目されています。日本では未承認の為、自己負担額も170〜230万円と、高額ですが、あるクリニックでは、既に2005年から900人に樹状細胞ワクチン療法を実施しております。
この療法は、最初に2〜3時間かけて樹状細胞に育つ細胞を、成分献血と同様の方法で患者さんから採取します。樹状細胞に培養する過程でがん細胞の表面にある、攻撃の目印となる抗原を取り込ませます。この様にして作製した 樹状細胞ワクチンを2週間に1度の割合で5〜7回、 3〜4ヶ月にわたって患者さんに注射します。それにより、ワクチンは免疫細胞のリンパ球に対して、癌細胞への攻撃を司令します。
米国などの専門家は2009年、最も優先度が高い癌ワクチン用の抗原として「Wt1」と呼ばれる抗原を選択しています。クリニックではWt1とその他の癌抗原を組み合わせたり、 患者さんから採取した癌組織を使ったりして患者さんに合ったワクチンを作製して使用している。 この療法は殆どすべての癌が対象となっており、
あるクリニックのデータでは、120人の症例中、癌の消滅例は6%、小さくなった例は19%としております。それ以外にも「安定」事例もあるとしています。
癌抗原Wt1を主に使った樹上細胞ワクチン療法を実施している医療機関は、北海道(札幌北楡病院・北斗病院)本州(仙台駅前アエルクリニック・ 板橋中央総合病院・九段クリニック分院・東京ミッドタウン先端医療研究所・セレンクリニック東京・新横浜かとうクリニック・ セレンクリニック・信州大病院・松本歯科大病院・クリニックサンルイ・セレンクリニック神戸・花園クリニック)四国(愛媛大病院)九州(福岡アイマックスクリニック・鹿児島医療センター) |
| * 分子標的治療薬と遺伝子変異 |
2001年以降、分子標的治療薬は相次いで開発されてきました。例えばイマチニブ(慢性骨髄性白血病治療薬/細胞の分化・増殖を阻害・「BCR-ABL遺伝子」によって作られる蛋白質を標的とする)・セツキシマブやパニツマブ(大腸癌治療薬/癌細胞表面にある「EGFR]という糖蛋白質を抑制し、
細胞の増殖に必要な信号を内部に伝わらなくする)・ゲフィチニブやエルロチニブ塩酸塩(非小細胞肺癌治療薬/「EGFR]に働きかけて細胞の増殖を抑制する/「EGFR]遺伝子が変異しているケースで効果が高い事が分かりつつある)などがあります。これらの分子標的治療薬を効果的に処方する為には標的分子の遺伝子変異に応じた治療方法を決める「カスタマイズ」という考え方も求められる。
一例では、慢性骨髄性白血病治療薬イマチニブを使用し、短期間での再発のケースなどがある場合、「BCR-ABL」遺伝子の変異が原因と考えられ、これらの遺伝子変異に対応した薬を選択する個別化治療が必要になる場合もある。
大腸癌治療薬のセツキシマブでは「KRAS」遺伝子に変異があれば癌の増殖を抑え難い傾向にある。この様な場合、遺伝子変異を捉える必要性を生じる事もあるが、近年、この「KRAS」遺伝子変異を全自動で解析できる「遺伝子変異自動解析システム」も開発されている。メーカーによると「約140例のサンプル解析をした結果、約1時間で高精度に検出する事に成功した」と報告しています。 |
| * 癌告知 |
殆どの人は、告知を受けましたら平常心を保つ事など出来ません。動揺するのは当然です。ですが、それでも最低限、医師から確認しておきたい事があります。それは『【状況把握の為に】@体のどこに出来たのか?
Aその大きさ・広がり・癌の性質・転移の有無は?Bどんな治療法があるのか?C治癒の可能性は?D治療期間は?
【手術を受けると決めた場合】@手術の手法と成功率は?A手術により失われる機能があるか?B後遺症が残るのか?【化学療法を受ける場合】@どんな種類の抗癌剤を使用するのか?A期待できる効果は?B投与期間は?C副作用の有無と内容は?』などです。 |
| * 抗癌剤治療コスト |
近年、分子標的治療薬など、癌を効果的に抑え込む薬剤がまさに黎明期を向かえた感がありますが、その一方で、高価な治療薬を使い続ける患者側の経済的な負担も問題になっています。中にはその故に治療を中止するケースも出ているという報告もあります。ただ、「高額療養費制度」という選択肢もあり実態調査でも、それを知らない人はかなり多いという報告もありました。治療費の負担感は「継続不可能なほど厳しい(7%)」、「継続は何とか可能だが、負担感はかなり重い(20%)」とあり、
全国の医師・患者への大規模調査でも、 「予定薬剤の変更(56、1%)」、「投薬の中止(15、9%)」、「投薬間隔の延長(8、5%)」などと報告されております。(高額療養費制度の選択で、自己負担を低く抑える事が出来、支払いが一定額となった為に、治療を継続できた事例もありました。) |
| * ペプチド「IF7」 |
ペプチド「IF7」は、癌の新生血管のみに現れる蛋白質「アネキシン1」と結合する特性を持つ。この「IF7]と抗癌剤を組み合わせた薬剤を、浜松医大と米サンフォーフォバーナム医大の研究グループが開発し、米科学アカデミー紀要電子版に発表しました。
「アネキシン1」は癌の新生血管の血流側に現れる蛋白質で、「巨大な癌腫瘍を形成したマウスに投与した結果、
抗癌剤が血管内皮を通過して癌全体に広がり、副作用の無い優れた治療効果が確認された」とするものです。癌新生血管は癌が大きくなるに従い、周りの血管を引き込む様に作られ、癌に栄養や酸素を供給する役割を担うものです。
某分子標的治療薬の専門家も、「新生血管を作る、あらゆる臓器の癌に有効な抗癌剤の開発が期待できる」と評している。 |
| * 血中アミノ酸と癌リスク |
血中に含まれる約20種類のアミノ酸の濃度を測定解析して、 そのバランスの変化を捉えて癌の可能性を把握する検査方法が実用化されました。これは血中アミノ酸が全身の状態を反映する鏡の役割をする事から可能となったものです。この検査はアミノインデックス癌リスクスクリーニング(AICS)と呼ばれ、2011年4月より胃癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、乳癌の5種類の癌を対象にしています。
『実際の検査では@5mlを採血するA血漿を分離するBアミノ酸濃度の分析をするC受診者のデータを計算式に入力し、AICS値を算出(数値が大きい程、癌の確率も高くなるD5種類の癌についてのリスクを診断するE疑いのある癌に絞って精密検査をする。』
AICSは癌の組織型に左右されず、早期癌に対する感度の高さがある特徴がある。(早期でもアミノ酸のバランスが崩れる事による)腫瘍マーカーの場合は、ある程度進行しないと変化を捉える事が出来ません。更に、近年の研究結果では子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌
のリスクもAICSで早期から判定できる事が判明しており、婦人科癌の項目が2012年春にも追加される見通しとされております。加えて、今後癌以外の疾患への応用も期待されております。 |
| * 死んだ細胞 |
「抗癌剤や放射線治療で癌細胞が死んで行くと、その死んで行く細胞は癌化の刺激をIL(インターロイキン)11などで周囲に出している」という可能性が指摘されている。この事から今後、IL11は癌治療の新しい標的になると期待している。実際、オーストラリア王立メルボルン大学の研究グループの実験で、細胞表面にあるIL11受容体を破壊して作用しないようにしたマウスと、胃癌を起こし易いマウスを掛け合わせると、その子供のマウスで癌化が抑制されたとする報告もあります。
本来、死んだ細胞が周りに増殖を促して補うのは、生体の恒常性維持の重要な働きとされております。
(抗癌剤や放射線で癌細胞が死ぬ時、活性酸素を介してIL11を過剰に出す事は、癌治療の副作用とも考える事もできる)日本の研究グループでも、IL11は治療の新しい手掛かりとし、癌治療の応用も探っています。 |